ドローン空撮 法律と飛行許可の基礎知識|初心者が守るべきポイントとは?

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ドローン空撮の人気が高まる中で、法律に対する無理解や誤解によるトラブルも増えています。
「人気のない場所だから大丈夫」「個人利用だから問題ない」と思っていませんか? 実はそれ、重大な違反にあたる可能性があります。

本記事では、ドローン空撮を安全かつ合法的に行うための「法律と許可」に関する基礎知識を、初心者向けにわかりやすく解説します。
航空法、DID区域、DIPS申請、マナーとルール——空撮前に知っておくべき最重要ポイントをこの1本で整理しましょう。


適用される主な法律|空撮時に関わる3本柱

空撮を行う際に押さえておきたい法律は、主に以下の3つです。

  1. 航空法:空撮を含むドローンの飛行ルールを規定する中心的な法律
  2. 電波法:ドローンが使用する無線通信機能の技術基準適合を求める法律
  3. 小型無人機等飛行禁止法:国会議事堂や首相官邸など特定施設の上空を飛行禁止とする法律

特に航空法の規制範囲は広く、違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、電波法違反は無線設備不正使用により1年以下の懲役または100万円以下の罰金の可能性も。
空撮は法的な責任を伴う行為であると認識し、慎重な確認が必要です。


飛行許可が必要になる代表的なケース

以下に該当する飛行を行う場合は、原則として国土交通省への許可・承認申請が必要です。

  • DID区域(人口集中地区)での飛行
     → ※多くの市街地・住宅地・公園が該当。後述で詳しく解説
  • 夜間飛行(日没から日の出まで)
  • 目視外飛行(モニターのみで操縦)
  • 人・建物・車両との距離が30m未満になる飛行
     → 飛行前に安全距離を測るか、計画的に構図を工夫する必要あり
  • イベント会場など多数の人が集まる場所上空の飛行

これらの飛行を無許可で実行した場合は、事故の有無にかかわらず法律違反となります。


DID区域とは?|その意味と調べ方

DID(人口集中地区)区域とは、5年に一度の国勢調査に基づいて指定される、人口が密集しているエリアのことです。
東京・大阪・名古屋などの都市部だけでなく、地方都市でも中心部の公園や道路が含まれるケースが多くあります。

「人気のない公園だから大丈夫」と思っていても、区域の一部にDIDがかかっているだけで申請対象となることも。

✅ 確認方法:

  • 国土地理院 地理院地図
  • 「ドローンフライトナビ」「SORAPASS」などの飛行可否確認アプリ
  • 国交省のDIPS 2.0マップ(申請時に自動反映されます)

飛行許可・承認申請の手順(DIPS 2.0)

許可が必要な飛行をする際は、国交省のDIPS(ドローン情報基盤システム)2.0を利用して、オンラインで申請を行います。

主な流れ:

  1. DIPSアカウント作成(メール認証が必要)
  2. 機体情報(メーカー・モデル・登録番号など)を登録
  3. 飛行日時、場所、経路を入力
  4. 飛行者情報(10時間以上の飛行経験があること)を証明
     → フライトログや練習記録をPDF化して添付
  5. 「飛行マニュアル(定型書式あり)」をアップロード
  6. 数営業日で審査 → メールで承認通知が届く

✔ 包括申請について

年間通じて複数回飛行する方は、**「包括申請(最大1年間有効)」**を選ぶと申請の手間が大幅に軽減されます。


許可不要でも「守るべきルール」がある

飛行許可が不要な場所・条件であっても、以下の行為は航空法または他法令・社会常識に照らして禁止・自粛されるべきです。

  • 他人の敷地・施設上空を無断で飛行しない
     → 私有地上空にも「地役権・プライバシー」があります
  • 住宅密集地・学校・病院周辺では飛行音に配慮する
     → 特に早朝・夕方・休日は騒音トラブルの原因に
  • 撮影映像の取り扱いにも注意
     → 第三者が映り込んだ場合、その映像をSNSなどで無断公開すると、プライバシー侵害と判断されるケースがあります

空撮を行う人間としてのモラルと責任を忘れず、安全と安心の両立を意識しましょう。


まとめ|「飛ばせる」からこそ「飛ばしていいか」を考える

空撮は魅力的な映像表現の手段であると同時に、法律と社会的責任を伴う行為です。
「法律を守る」「他人に迷惑をかけない」「事前確認を怠らない」という3つの柱が、空撮に対する社会の信頼を築く礎となります。

法律を学ぶことは、決して難しいことではありません。
むしろ、正しく理解した者が最も自由に飛ばせるということを、ぜひ知ってください。


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Q&A(文量多め・5問)


Q1. 「DID区域」ってなぜそんなに重要なんですか?自分の住んでる地域も対象になるんですか?

A. DID区域とは「人口集中地区」の略称で、住宅や建物が密集しているエリアです。国勢調査のデータをもとに国が指定しており、飛行するには原則として国土交通省の許可が必要です。
都市部だけでなく、地方都市の駅前や住宅地、公園、川沿いの一部などもDIDに指定されていることが多く、「人がいないから大丈夫」と思い込むのは非常に危険です。
正確に知るには、国土地理院の「地理院地図」や「ドローンフライトナビ」などのツールで確認しましょう。


Q2. ドローン空撮で許可が必要になる飛行って、具体的にどんな場合ですか?

A. 許可が必要になる主な条件は、以下のようなものです:

  • DID区域で飛ばすとき
  • 夜間(日没後〜日の出前)に飛ばすとき
  • ドローンを見ずにモニターだけで操作するとき(目視外飛行)
  • 建物や人・車と30m未満の距離で飛ばすとき
  • 多くの人が集まるイベントの上空で飛ばすとき

これらに該当する場合、DIPS2.0を使って国交省に申請し、正式な許可・承認を得る必要があります。
違反すると法律的に重大な責任を問われるため、計画段階から確認しておくことが大切です。


Q3. 許可の申請って難しそう…DIPSって何?誰でも申請できますか?

A. DIPS(ディップス)2.0とは、国土交通省が提供する「ドローン飛行申請用のオンラインシステム」です。
誰でも無料でアカウントを作成でき、機体情報・操縦者情報・飛行場所・日程などを入力して申請することができます。
申請には、10時間以上の飛行経験の証明や、定型の「飛行マニュアル」の添付が必要ですが、DIPS内で案内されている手順通りに進めれば、初心者でも十分に対応可能です。
年間何度も飛ばす予定がある場合は、「包括申請」によって効率よく申請することもできます。


Q4. 許可が不要な場所なら、どこでも自由に飛ばしていいんですか?

A. 許可が不要な場所でも、ルールとマナーは厳守する必要があります。

たとえば:

  • 他人の私有地上空は勝手に飛ばせません(民法上の財産権の侵害に該当)
  • 音がうるさい場所、騒音が問題になりやすい地域では時間帯や周囲への配慮が求められます
  • 学校や病院の近くでは、飛行そのものが迷惑行為とみなされる場合もあります
  • 映像に人が映り込んでいた場合、そのまま公開するとプライバシー侵害になるリスクもあります

つまり、法律の「外側」にある社会的ルールや空気感にも十分注意を払うべきなのです。


Q5. 法律はどこまで守ればいいのか、正直よく分からないです…

A. まずは「航空法」と「DID区域」の存在を知ることが第一歩です。そのうえで、「このエリアは本当に飛ばしていいのか?」という視点を常に持ち続けましょう。
空撮は映像を撮るだけでなく、**“空間に関わる責任”**を負う行為でもあります。

また、以下の行動を取る人は、トラブルを回避できる傾向にあります:

  • 事前に地図や天候を調べている
  • 周囲に声をかけ、迷惑をかけていないか気を配っている
  • 映像をSNSにアップする前に、写り込んだ人物や場所を確認している

これらは、法律ではなく「信用」を守るための行動です。
それこそが、ドローンを楽しむすべての人に求められている「空を共有する意識」といえるでしょう。

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